SketchUp Pro 2020では既存の機能、UI、機能が劇的に改善されました。今回は新機能について解説をしていきます。
SketchUp2020改良点一覧
SketchUp 2020ではUI(User Interface)の改善に伴い、使用者の作業効率が大幅に改善されました。その主な変更点に、
- 開始時にファイル選択のログが追加、ファイル開始が高速化
- 強制終了時に開始ログからファイルを再開可能に
- モデル操作の速度向上
- レイヤー機能がタグとアウトライナーの機能に分割
- グループオブジェクトの外枠頂点をMoveで捕捉可能に
- 物体を非表示にする機能と物体の幾何学補助線を非表示にする機能に分割
- 出力時に線形のピクセルを変更可能に
- オブジェクトの体積表示にヤード、ガロン単位などを追加
- LayOutとの親和性が大幅改善、両ソフトで視点を編集可能に
- PDFでの線形のバグが修正
- 言語翻訳の修正
などがあります。
開始ログの追加、ファイル
初期ログで編集記録とファイルの記録が表示されるようになり、ソフト開始時にファイルを個別に開く必要がなくなりました。
バグにより強制終了した場合、ログから最近のファイルを直接開くことができるようになりました。
レイヤー機能
SketchUp Pro 2019以前のバージョンでは、AutoCADやRhinocerosからdwg、3dsファイルを導入する際にレイヤーごとにグループ分けすることができましたが、厳密には建築モデリングソフトで一般的に使用されるレイヤーの性能には程遠いものでした。
例えばAdobeソフトでのレイヤーでは物体の表示性能以外に、レイヤーマスクを追加できる上に、レイヤーの名称の変更、選択、グループの順序を変更することができます。
しかし、初期のSketchUpにはレイヤーの線形の色変更と表示変更の機能しか備わっていません。
タグとアウトライナー
レイヤーがタグとアウトライナーの機能に変更され、タグでは従来のレイヤーの内容を受け継ぎ、アウトライナーでは全てのグループ、コンポーネント、セクションがUI上で統一して編集できるように変更されました。
この変更点のおかげでグループに包摂されたグループを素早く表示させたり、グループの包摂関係を編集することでモデリングの修正操作が簡略化されたのです!
非表示機能がシーンごとに保存されるように改善
グループ内やコンポーネント内で非表示にした物体の状態は全てのシーンに保存されるようになりました。
グループオブジェクトのUI改善
以前のSketchUpではグループオブジェクトの頂点補足に対応できず、非線形の移動や配置が困難でしたが、UI改善後、従来の操作と比べて迅速な定点操作が可能になりました。
グループはボックスとして青く表示されますが、ボックスの頂点、中点、重心がMove使用時に常時補足できるようになり、ビューで隠れているポイントを掴んで移動させる際にオブジェクトが半透明になり、ビュー角度を変えなくても定点移動させやすくなりました。Rotateを使用するときも適応されます。
出力時の線形変更
画像を出力する際、線形を表示するスタイルでは線の太さのピクセルをオプションで変更することができるようになりました。
SketchUp特有の線形が細くならない問題も綺麗に解消されたのです。
LayOutとの互換性大幅改善
このバージョンからLayOut内でもSketchUp内のモデルのビュー視点を変更できるようになったり、モデルの更新が自動的に行われるようになったり、圧倒的に操作性が改善されました。
LayOut内でタグの表示を切り替えることができるので、SketchUpとLayOut間を往復してシーンを保存しなくても済みます。
関連解説動画
補足:SketchUpの設定など