かーきアサヒの建築手記

建築デザインについての時短術や現留学先での生活の違いを面白くまとめていきます

ソフト無法地帯事情

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しばらく記事の更新を休んでいましたが、建築学生や設計業界に参入したばかりの人達を困惑させてきたソフト事情について疑問の声を聞くことが多かったので、私の調べた内容を書き記そうと思います。

 

 

ソフト無法地帯の実情

デザインツールの一般知識について

まずPCソフトやスマホアプリなど各種サービスを利用する前に、確認すべきことがデザインツールの定義についてですが、ひとつのデザインを構想から製図、試算などの工程を仕上げるのには様々な道具を駆使する必要があります。

 

現在CAD*1を用いることは、設計業務の中では必要不可欠であり、専門性の高いソフトを扱えることやその能力が設計者としての生存確率にも直結します。

 

デザインツールを使う理由は、様々な仕事や作業の生産性、または品質を向上させたり、効率化、自動化を図ることにあります。

 

市場には数え切れない種類のソフトがあり、各社が提供しているサービスの内容、そしてソフトの提供価格や、ソフト内の機能を消費者は比較し、個人の用途や組織の業務に合う道具を選ぶのが、デザインツールに関する一般知識です。

違法ソフトの存在

エンドユーザー*2はソフトを販売する会社のホームページやクチコミなどでソフトの存在を知り、目的に応じてライセンスを購入し、PCやスマホ端末内でソフトを利用します。

 

しかし、ネットには会社が提供する本来のソフト製品とは異なる、ソフトを運営する会社の許可なしに違法な手段・目的で公開された「違法ソフト」と呼ばれるものが存在します。

 

違法ソフトは海賊版不正コピーとも呼ばれたりしますが、大意では正当なライセンスを獲得しないで、ソフトを使用・所持することや非合法的に流通したものを指します。

責任の所在は?違法ソフト論争

コンピューター産業・ソフトウェア業界は全世界の経済発展に大きく貢献しています。ですが、ソフトの違法行為が横行し、ソフト開発者たちが得るはずだった報酬がなくなってしまうと開発者の研究意欲は奪われ、ソフトウェア業界の将来の発展は悲観的になります。

 

違法ソフトを巡る現在の討論をみるとエンドユーザーの責任について争点が置かれています。では分析していきましょう。

エンドユーザーの違法行為とは

従来、違法ソフトの制作者や販売者らが、ソフト開発側の損害を発生させているものだと考えられていました。

 

違法ソフトを流通させることが制作者と販売者でソフト開発者の利益を直接的に侵害している、ということです。

 

しかし厳密には、ソフト開発者の収益の大部分は利用者の商業利用に伴い、間接的に発生するものなのでエンドユーザーが違法ソフトを用いて商業利用すること、こそがソフト業界に最も打撃を与えているというのが現在主流の考え方です。

エンドユーザーの違法ソフト商業利用と権利侵害の事例

ライセンスを受理していない状態でコピーソフトを使用し、ソフト著作権の侵害が裁判になった事例*3から、エンドユーザーの責任問題について焦点が置かれ始めました。

 

他にも、企業が正規ライセンスを一定数購入した後に、購入したライセンス数を上回る数のPCにソフトを実装させた権利侵害の例も挙げられます。

 

権利侵害行為にあたるユーザーは現在、正規ソフトを購入し不正コピーするまでもなく、既にライセンス、ロックを解除された違法ソフトをいくつもの経路から入手しています。

エンドユーザーの違法ソフト商業利用に付随する民事責任

エンドユーザーに対する権利侵害の法律は国によって判断基準が異なります。

 

 

例えば、日本著作権法、第113条において、商業活動における違法ソフト使用では、

  • エンドユーザーが権利侵害責任に問われるには、エンドユーザーが違法ソフトを使用する
  • エンドユーザーが違法ソフトと知りつつも、違法ソフトを使用する

上記の2点を満たす必要があります。
 
ソフトの生み出す価値とソフト作品の特殊性などの背景を考慮し、エンドユーザーが違法ソフトを商業利用する行為は著作権侵害にあたるが、違法ソフトを商業利用する行為そのものは著作権侵害にはならない、との規定をされています。
 

 

ドイツ著作権法によると違法ソフトを所持している人は違法ソフトを廃棄する必要がありますが、その行為による個人の責任は明記されていません。
 

 

アメリカ版権法、第107条によると、ソフトが合理的に使用されている場合は合法、されていない場合は違法と記されています。

 

上述では国と著作権法律に関する取り決めの違いはありますが、エンドユーザーの責任として、

  • エンドユーザーの違法ソフト利用に対して責任追求することを反対或いは消極的*4である
  • エンドユーザーに責任追求することは可能だが、エンドユーザーが主観的に違法ソフトと知りつつ、商用目的の行為にうつす場合、権利侵害になる

上記の2点を踏まえて理解すると分かりやすいかもしれません。

商用の範囲・中国

例として、中国の著作権法著作権解釈第21条の規定より)では違法ソフトで発生する権利侵害は、エンドユーザーがソフトを商業利用した場合のみに限られ、個人利用した場合は侵害の対象にはなりません。

 

仮にエンドユーザーが個人の宅内で違法ソフトを利用したとします。ですが実際には個人利用に見せかけて、営利性のある企業の仕事を進めていた場合、商業利用だと認められます。

 

さらに営利活動が行われる場所、会社のオフィスや学校の研究室などで違法ソフトを利用しても、個人の学習目的であれば、商業利用だとは認められません。

 

そしてソフトの商業利用とは商業活動の全過程を構成する必要はなく、営利活動の一部、一時的に利用するだけでも商用のケースが成り立ちます

 

最後にエンドユーザーによる商用行為が主観で善意、または悪意のあるものか否やを判断する必要があります*5

 

エンドユーザーの善意による商業利用でも、直ちに違法ソフト利用を停止し、ソフトを破棄する義務が発生しますが、ソフト権利者に合理的な対価を支払う場合、該当ソフトを継続して使用できます。

 

悪意のある行為だと判断された場合、条例と法規制に準じて民事、刑事責任を追求されるケースがあります。

刑事責任の追求

ソフトの著作権侵害行為で刑事責任を追求することについて、未だ学会などで論争が繰り広げられています。

 

ソフトウェア業界と社会の発展状況をふまえ、エンドユーザーに刑事責任を追求できる法律の根拠が少ないことと、ソフト業界の発展を阻害する可能性があること、が学者の反対意見として挙げられますが、現行法体制でも刑事追求はできると、賛同する学者たちの声もあります。

刑法の曖昧さ・中国

中国の例を挙げますが、中国刑法第217条には、

  • 営利を目的とし著作権所有者の許可を得ず、コンピューターソフトを複製発行し、違法所得額が大きい或いはその他の深刻な状況に対して著作権侵害罪として罰則をする。

との旨*6が表記されています。

 

まず刑法の解釈と著作権法の解釈の間で

  • ”エンドユーザーの違法ソフト使用行為”が”複製発行”されたものだと解釈できるか
  • ”商用”を”営利を目的とし”に解釈できるか

 が重点です。

 

前者の”複製発行”は中国語では”複製”と”発行”の複合単語ですが、”複製あるいは発行”である場合と、”複製且つ発行”した場合では状況が異なり、説明に誤解が生じかねないのです。

 

不正コピー・違法ソフトの発行、それぞれ単独の行為で刑法の条件を満たすのか、その行為を同一人物が複合的に組み合わせた場合のみ適応されるべきなのかが文面からは判断が曖昧になりやすいのです。

 

後者も”営利を目的とし”は、”商用”と同意義に捉えられがちですが、前述にも話した通り、ソフトを不正コピーし流通させた者は、直接的にソフト制作者に対して損をさせていますが、エンドユーザーの違法ソフトによる営利は不正コピーの行為とは間接的に営利をしたことになります。

 

中国の刑法第213条から219条では、”犯罪行為と営利の結果には直接の関係”があることを規定としていて、

 

  • エンドユーザーは営利のために違法ソフトを使用するが、その営利活動と違法ソフトとは直接的な関係*7はなく、または不正コピー行為ともエンドユーザーが直接結びつかないため、”営利を目的とし”の解釈は実情に即していない。

 

という解釈の食い違いを招く可能性があります。

 

市場の正規ソフトよりも違法ソフトの費用が低く、違法ソフトを利用することでエンドユーザーが利益を得ているため、”営利を目的とし”でも問題ないとする意見もあります。

 

他に、違法所得額が大きい或いはその他深刻な状況の解釈にも不足があると指摘されています。

 

違法所得額の説明ですが、不正コピーによって得たソフトの機能は合理的な対価を支払ったユーザーのソフトの機能とは区別がないため、”ソフトの市場価格を違法所得額の計算”に用いられています。

 

しかしこの計算法式の問題点に、

  • 価格の安い、専門性の低い一般的なソフト

である場合、違法所得額が想定を下まわり、刑罰の対象にそもそもならないことが挙げられます。

 

そのような不正コピーが違法に何百、何千と流通したところで、違法所得額の基準には満たないため、ソフト制作側が不利な状況に立たされることになります。

 

一方で、

  • 高額で、専門性の高い非常に特殊なソフト

である場合、不正コピーを一つ所持しているだけでも犯罪の基準を満たす可能性があり、エンドユーザーが違法ソフトの所持をしているだけでリスクは跳ね上がります。

 

さらに、デザインの複雑な工程の中には一般的なソフトが必ず使用されると思いますが、そのひとつに違法ソフトを使用していた場合、その生産過程で生じた利益を全て”違法所得額”へまとめて計算するべきなのでしょうか?

 

訴訟費用や時間を費やす以上、全ての違法ソフトケースを裁判に持ち込むのは現実的ではありません。

 

現段階では違法ソフト制作者やエンドユーザーに刑事責任を追求しようとしても、法整備に不備が多いため刑法による犯罪抑止効果も薄く、中国の刑事法の介入は消極な態度を取っています。

 

このような現状から、中国のソフトウェア業界は長らく成長しづらい状況にあります。

違法ソフトの発生

違法ソフト市場

中国では刑事責任を追求した例が少ないことからも、違法ソフトの取り締まりは民事にほぼ丸投げされている現状です。

 

前述では安価なソフトと高額ソフトでは、

  • 安価で専門性の低い一般的なソフト(取り締まりをしにくい)
  • 高価で専門性の高い特殊なソフト(比較的取り締まりやすい)

違法行為の取り締まり方の違いを少し取り上げましたが、違法ソフトと正規ソフトでは市場にも大きな特徴が見られます。

 

国際レコード連盟の調査によると、特に中国、ブラジル、パラグアイ等の合計10カ国は違法ソフト問題が深刻化しています。

 

2002年中国ソフト市場の基本状況*8を比較して見ると、(便宜上、元表記を円で計算しています。元×15≒日本円)

 

-正規ソフト

  • ソフト購入量(億件):0.48
  • 市場保有率(%):9
  • 年成長率(%):19
  • 価格(円):100~6,000(中国国内)、15,000以上(海外ソフト)
  • アフターサービス:セキュリティソフト以外、基本は無し
  • 利益率(%):不明
  • 商品一件あたりの利益(円):薄利または損失(中国国内)、8000以上(海外ソフト)

-違法ソフト

  • ソフト年購入量(億件):11
  • 市場保有率(%):91
  • 年成長率(%):24
  • 価格(円):50以下
  • アフターサービス:返品対応、比較的多様化
  • 利益率(%):14~37.5
  • 商品一件あたりの利益(円):5~15

上記のような違いがあります。

 

 

中国では正規ソフトの年購入量は違法ソフトの5%にも満たないうえ、市場保有率も違法ソフトの10%程度しかありません。違法ソフトのシェアがソフト市場のほとんどを占めているのです。

 

年購入量と年成長率を組み合わせた場合、正規ソフトの市場増加量は0.09億件ですが、違法ソフトの市場増加量は2.64億件にのぼり、これは正規ソフトの約29倍ほどです。

なぜソフト各社は違法ソフトを徹底的に弾劾するのか

開発コストがかからない不正コピーは、まさに二束三文という値段で流通していますが、違法ソフトの価格は、ソフト市場ではほぼ均衡に達していると言われています。

 

正規ソフトを販売する各社は違法ソフトを駆逐することで、違法ソフトが占有した市場の利益を取り返すことができますが、著作権侵害訴訟などをして徹底的に弾劾する理由はさらにあります。

 

市場の違法ソフトを利用し続けたエンドユーザーたちは、違法ソフトを使う習慣ができています。そこに政府や自治体が違法ソフトを厳しく取り締まり、世の中から違法ソフトが全くなくなるとしましょう。

 

すると、エンドユーザーたちに対して正規版ソフトを購入するか、ソフトを利用することを諦めるか、で強制的に二択を迫ることができます

 

一部分のユーザーからすると機能を代替できるのであれば、必ずしもそのソフトを使い続けることはありませんが、一部の違法ソフトを使い続けてきたエンドユーザーたちにとって、ソフトの操作に慣れ、デジタル資産を築いてきたソフトを簡単に諦めることはできません。

 

つまり、ソフト会社はエンドユーザーにソフトに依存させることで暴利を得られる状況に持っていくことができるのです。 

そもそも正規ソフトが高額すぎる件

建前上、正規ソフトを提供するソフト社は違法ソフトによる被害者です。

 

仮に違法ソフトが市場に流通しなくなった場合、正規ソフトは本来の市場価格で消費者から利益を回収できます。

 

しかし消費者、エンドユーザーの立場からすると違法ソフトを追い払うことに一銭の利益も発生しないどころか、実際には巨大な損失を出してしまう被害者側でもあると言えます。

 

ソフト業界には潤沢な資金を得られる市場があるため、更なるソフト市場の参入者を招き、ソフトの高額な価格設定もある種の均衡に達してしまうのです。

 

正規ソフトと違法ソフトが市場に混在している状況でもなお正規ソフトが一定の利益を上げている事実から見ると、利益率と価格設定などが市場の実情に即していない可能性があります

 

例えば、大学生が中国の大学で建築設計を学ぶとして、

  • 製図ソフト
  • 3Dモデルソフト
  • 統計ソフト
  • 画像/動画編集ソフト

など多岐に渡るデザインツールを使うことになりますが、それぞれのソフトのサブスクリプションタイプの正規ライセンスを個人で購入した場合、中国人の平均月収を越える金額が毎年発生します。

 

一般的な中国大学生の支払能力を遥かに上回るため、大多数は仕方なく不正コピーを使用していると捉えられますし、とても健全な商売をしているとは言えません。

 

さらに中国国内のソフトと海外ソフトの比較してみると、中国国内開発の場合料金が6,000円(薄利)以下、海外ソフトは基本15,000円以上(利益約8,000円、50%以上の利益率)とかなり格差があります。

 

大学側で教育ライセンスを購入する場合でも、デザインツールの多様化により特定のツールを統一して使用することもあまり現実的ではありません。

 

主に海外の正規ソフトが提供するサービス内容には不備が多く、

  • 多言語対応をしていない
  • ライセンス購入時に使用できる決済手段が少ない
  • アフターサービスの質の低さ(Ver.更新頻度の少なさ、返品対応)

などがエンドユーザーが違法ソフトを助長する大きな理由でもあります。

違法ソフトの取り締まり

違法ソフトの取り締まり、要するに犯罪例の民事、刑事の処罰を政府が強化することで違法ソフトの制作者に”絶対に逃げられない”と思わせられるような仕組みをつくれば、理論上は違法ソフトをなくすことができます。

 

そのためには法整備の強化は必須でしょう。

 

留意すべきは、中国の例では民事の著作権法は、事例の対応力があるものの、刑法による処分はまだはっきりしないところも多いという点です。

 

そして一概に違法ソフトといっても、

  • クラックツール、keyGEN、PC内時間停止によりライセンスが必要ない状態
  • 正規に許可されていないが、言語パックなどを加えた状態
  • 購入手段の乏しい状態(後にライセンスキーを購入すれば合法)
  • 既に公式サービスの対応が終了しているが、利用者がまだいる状態
  • ライセンス許容数を越えるユーザーが使用している状態

などの異なる場面が想定されるため、流通者が著作権侵害行為をした際にはその悪質性を判断する必要があります。

 

違法ソフトに限った話ではありませんが、違法と知りつつ商用する場合に犯罪行為が認められるため、P2P*9不正コピーをやり取りするだけでは著作権侵害としてエンドユーザーを訴えるのは困難です。

 

勉強や私用目的であれば、正規の許可なし・ライセンスなしでもコンテンツを公開し、尚且つ著作権を侵害されたと公式側から指摘された際に直ちに削除をする、といったスタンスを貫くことで中国の違法ソフトの制作者は刑罰から逃れているようにも見えます。

現実に直面する問題

ソフト損害賠償など

中国の大学や設計事務所などで違法ソフトについて教育を受ける機会がなかった方も多く、著作権侵害行為が発覚した時に大きな代償を払った事例を見かけます。

 

一般的な事例として、設計事務所がライセンス許可数を越えるソフトをPCで運用していて、不正コピーが発覚した際に(国によって詳細は異なりますが)、訴訟費用、損害賠償、利用期間中のソフト費用の1.1倍などを支払う義務が発生します。

 

個人が学会などで研究を発表する際には知的財産侵害の事実が発覚すれば、ソフトを提供する会社から訴訟を受け、最悪研究結果を学会から認められなくなるケースがあります

 

営利を目的とした出版物、成果に使用する書体や掲載画像なども事前に商用可能なライセンス契約をしているかを確認することが求められます。

設計作品やポートフォリオ

個人のポートフォリオに掲載する作品の著作権は、大学や企業の法人に帰属すると一般的に言われています。

 

ですが守秘義務のある項目を掲載しない、合同作品では自身の作品の範囲を明記する、世間一般に流用されないように保管する、などの条件を守れば私的使用である限りは著作権を気にすることなく素材を使用することができます

 

ちなみに私的使用とは、営利性を持たない活動だったり、企業面接時に印刷物を面接官に見せたり、大学入試時に郵送したり、私的目的の複製を指します。

 

ポートフォリオの作品管理も社会性を判断する材料になるので、資料の提出前にISSUUやSNSなどに公開したり、既に公開したものをポートフォリオとして再利用するのを控えるようにしましょう。

違法ソフトチェックと通報など

違法ソフトが訴訟に発展するケースとして、明確に著作権の権利者の主体があり、違法行為によって権利者が損失を被る事実証明が必要です。

 

前述した通り、個人が違法ソフトを所持・使用していても発覚しにくい上、そのソフトで商用したという証拠やPCデータがなくてはならないので、個人の違法ソフト訴訟は権利者にとっては消極的です。

 

ですが専門性のあるソフトの不正コピーを用いて営業している資格学校、または組織的に違法ソフトを黙認し使っている場合、その行為はかなり悪質で訴訟に発展しやすい状況のひとつでもあります。

 

ソフトの利用規約やライセンスを確認し、違法ソフトを組織的に使用していることが発覚した場合、違法ソフトを削除・アンインストールして使えないようにするのではなく、ソフトメーカーのホームページなどに連絡を入れ、どう対処すべきなのかメーカー側の指示をもらいましょう

 

自分の判断で安易に違法ソフトを削除・アンインストールすると、証拠を隠滅したとされて責任を追求されるかもしれません。

 

ソフトの利用規約やライセンスの構造をよく理解することがユーザーのリスクや損失を最小限に抑えることにつながります

権威的なソフトと無法地帯

大は小を兼ねるとの言葉あるように、網羅的に機能が搭載されたソフトは特に不正コピーのターゲットにされやすい傾向にあります。

 

例として、

などなど、全て挙げ始めたら本当にキリがありませんが、上記のソフトは一般的な機能から専門性の高い機能を兼ねていて市場シェアを多く占めているため、違法ソフトも出回りやすく、ソフトの価格帯(買い切り型、サブスクリプション型を兼ねる)も高めです。

違法ソフト対策

違法ソフトが使用されると、ソフトメーカーは損失を被り、エンドユーザーも大きなリスクを抱えることになります。

 

違法ソフトの利用はご自身の判断に任せますが*10、解決法としてまずソフトメーカーは、

  • 正規ソフトは価格を実情に応じて大幅に下げる或いは無料にする
  • 正規ソフトの試用期間を大幅に伸ばし、返品、返金対応を充実させる
  • ソフトを多言語対応させる
  • 教育機関との提携をし、優遇措置を強化する
  • 頻繁にバージョンを更新させる(年一回では不十分)
  • メーカー側ないし代理のライセンス権限を減らす

そして法律や政府からは、

  • 民事と刑事の法整備を強化し、さらに厳罰化させる
  • 取り締まりの頻度や範囲を増やし、違法ソフト制作者を厳格に追求する
  • 違法ソフトを助長するようなプラットフォームにも責任追求をする
  • P2P不正コピーが流通しないように監査する
  • 海外ソフトの利益率を制限する制度を設ける
  • 正規ソフトの規定・審査を厳格化する
  • 違法ソフトに対して教育を強化し、周知させる

エンドユーザーは、

  • 上位互換的な安価・無料ソフトを見つけ、そちらを代替する
  • 違法ソフトの対応・処理をメーカーに相談する
  • 新たに違法ソフトを手に入れない・買わない
  • 既に所持している違法ソフトを私用目的に限定する

などが挙げられると思います。

違法ソフト通報のコント

メーカー:”違法ソフトを流している奴を教えてくれ”

エンドユーザー:”私の旨みは??”

*1:Computer-aided design:広義的にコンピューター支援設計、狭義的にAutoCADなどのソフト製品を指します。

*2:ソフトの転売や仲介を除く、最終的なソフト利用者を指す

*3:マイクロソフト社が北京亜都社の集団不正ソフト使用を訴えたなど

*4:経済活動が発生しない状態で権利侵害を訴える利点はない

*5:中国・ソフト条例第24条から30条より

*6:意訳により、今回は条例の要点のみ解説します

*7:ユーザーは営利活動のためのソフトであればなんでも良い

*8:※2002年国際レコード工業連盟統計資料より。新規のデータを入手できなくて申し訳ありません

*9:Peer to peer:複数のコンピューター間の通信

*10:違法ソフトを肯定しているわけではありませんが、市場の9割の方々がソフトを利用しているため