プレゼンボードで人気の高い分解図の簡単な作成方法について解説します。
分解図作成
分解図とは?
建築デザインにおいての分解図(Exploded view)は構造や外壁などの関係性を説明するために、材質や機能ごとに分類して展開するダイアグラムのことです。
分解図の起源を遡ると、ルネサンス期にレオナルド・ダ・ヴィンチとフランチェスコ・ディ・ジョルジョ・マルティーニが往復運動機械の設計図に用い、複雑な内部機構をわかりやすく、そして美しく表記するために発明されたと言われています。
分解図では立方体や縦型の巻軸のように建築物やその構成要素がそれぞれ距離を置いて展開され、要素ごとに点線で連結部位を記します。
分解図の用途
分解図は、
- 都市やランドスケープ、大規模な建築デザインのアイソメトリック図では内部空間の関係性を描写するには線密度が高すぎる場合
- 空間の把握が複雑で難しい場合
上記の状況に直面した場合採用されます。
分解図作成に用意するもの
分解図作成に用意する建築ソフト、プラグインなどは、
- SketchUp Pro
- 3Dモデル(展開したいものを事前に個別のグループに分ける)
- Exploded view v3.0.2(Eclate_Deplace_v3.0.2.rbz)
上記の通りのものです。
実装までの流れ
SketchUp Proには拡張プラグインExtentionを実装する欄があり、ソフト内にダウンロードしたプラグインrbzファイルをPC内で、
- Cドライブファイルから
- → 「ユーザー(User)」ファイル
- → 「PC名(Administrator)」ファイル(英語ではない場合、英語に)
- → 「AppData」ファイル*1
- → 「Roaming」ファイル
- → 「SketchUp」ファイル
- → 「SketchUp 20xx」ファイル(該当するバージョンを選択)
- → さらに「Plugin」のファイルが見つかるまで「SketchUp」を選択
- → 「Plugin」ファイル内に該当するrbzファイルを複製
- Sketch Up Proソフトを起動するとプラグインが追加した状態になる
上記の実装方法と、
- Sketch Up Proソフトを起動
- ソフト内の「Window」から「Extension Manager」を選択
- 「Install Extension」から該当するrbzファイルを選択
- 「Extension Manager」内でプラグインを「Enable」の状態にする
上記の二つの方法があります。
Exploded View ver.3.0.2をダウンロード
実際のファイル名は「Eclate_Deplace_v3.0.2.rbz」で、こちらは
- 「sketchUcaiton」のサイト内で無料でダウンロード可
- ログインした状態でサイト内で「Exploded view」と検索
です。
サイト内で会員登録を済ませると、他にも便利なプラグインが無料/有料でダウンロードできるようになります。
他にも、
で無料公開されているSketchUp Proのプラグインをrarファイルに圧縮したので、こちらから「Eclate_Deplace_v3.0.2.rbz」を無料でダウンロードすることもできます。
プラグインが反映されない場合
上記のとおりに該当するプラグインファイルrbzをSketchUp Proに実装した後、新規ファイルを立ち上げた際にExtension ToolとしてExploded viewが表示されるようになります。
ツールが表示されない場合、rbzファイルが「Plugin」内に格納されているかどうかを確認し、ファイル内でF5で刷新してみたり、新規で違う形式のファイルを立ち上げて見たりしてみましょう。
プラグインの使用法
Exploded viewツールを実行する際、
- 分解図に展開して欲しいオブジェクトを全て個別のグループまでexplode*2
- Ctrl+Aなどで全選択した状態でツールボタンを押します。
- ポップアップが表示され、連結の点線表示状態を選択(はいを選択)
- ポップアップが表示され、オリジナルの保存を選択(いいえを選択)
- 詳細データ設定画面がポップアップ
- 縦型に展開したい場合、z軸方向の離散数値を10~1000倍に設定
- 横型に展開したい場合、x、y軸方向の離散数値を10~1000倍に設定
- 実行
上記の手順を踏むと、グループ群の中心軸をもとに物体が展開されます。
参考として、3DWarehouseにある素材を使ってプラグインの効果とAxonometric図として変形させた効果を見ていきましょう。
- 使用したモデルはこちら:1969 Toyota 2000GT | 3D Warehouse
分解図として制作する場合
図面をIsometricの形式にする場合、
上記の手順を踏みます。
さらに図面をAxonometricの形式にする場合、
上記の手順を踏みます。
カメラ軸をそれぞれ45°に向けるには、
- Rectangleで適当な大きさの四角形をx、y平面上に描く
- 描いた平面をPullで適当な厚みに引き上げる
- 物体全体ををRotateでx、y平面上で、45°傾ける(x、y軸は45°傾けた状態)
- 最終のカメラの視線の方向を決める
- 物体の側面を基準面にRotateで物体全体を45°傾ける(x、y軸を45°傾けつつ、z軸を45°傾けた状態)
- カメラの予定視線に向かって垂直の面だけを選択
- 右クリックを押し、ポップアップ内でAlign viewを選択
上記のようにカメラの方向を調整します。(後述の画像はSketchUp Pro 2020より)
Align viewによってx、y、z軸それぞれ45°傾けた平面に向かって視線が調整されるので、この状態で3Dモデル全体をpngやpdfファイルとしてエクスポートし、図の比率を縦に√2倍引き伸ばして調整します。
補足
製図表現のポイントについて記事にまとめました。