建築デザインの時短術!データベースの作成
熟練したデザイナーはデザインの質だけでなく、プロジェクトの量も同時にこなすことができます。
それは単に仕事が速くできるだけでなく、重複する作業を効率よく省略することに長けているからだと思います。
データベースの作成
作業省略の要点
建築デザインで一番難しいのは問題を判断することです。どこを省略できて、どこに時間を使うべきかを見極められるかが時間短縮の鍵になります。
熟練したデザイナーは自分の経験やストックから、必要に応じてさまざまな素材を利用したり、積極的にチームに仕事を任せたりしています。
その前提として、省略できる工程に使える素材をデータベースに保存し、時間を十分に投入できるスケジュールの管理、そしてそれらの情報をまとめられるプラットフォームを用意をすることが必要になります。
データベースの管理
データベースとは?
データベースを簡単に言うと、いままで建築デザインに使用した素材をデジタルデータに変換し、保存することになります。
デザインのために製作した模型を写真として残したり、プレゼンに使用したPDFや画像として保管し、必要な時に検索したり情報を引き出すことがデータベースを利用する目的です。
データベースのメリット
デザイン案ごとに分析すべき問題、解決すべき問題は違っても、デザインの方法自体は特別なプロジェクトでない限り、大きく変わりません。そしてデザインの方法が同じである場合、画像素材や模型の素材は同じものを利用することができます。
例として、パース図に使用する人の切り抜き画像のpng、psdファイルは場面に応じて老若男女をたくさんストックする必要があり、画像が素材として使えるように修正するのには時間がかかります。
日頃からデジタルデータとして保存し、必要に応じて編集を加え、再利用できる状態にすることがデータベースをつくる最大の利点でしょう。
データベースの媒体
PCでのデータ操作を前提に話していますが、携帯用HDD、タブレット、スマホなどのデバイスはどれもデータベースとして利用できます。
デバイスの性質上、プレゼンに使用するものと資料を編集・記録するものに用途を分け、データベースのバックアップをとり、なおかつ所持している全てのデバイス上でクラウドなどのデータベースを閲覧できるのが好ましいです。
データの安全管理に気になる方は、なるべくPC内にデータを全て記録したり、USBなどを利用するのを避けて、信頼できるクラウドサービスなどを利用しましょう。
データベース利用時の注意点、命名法
注意しなくてはならない点として、データベース内のファイルを分かりやすく分類をしなくてはなりません。
クラウド内ではデータの格式、容量、名前、編集された時間が表記されていますが、データの表記の仕方として、
- 第1層 格式分類 「001_PNG」「002_PSD」「003_DWG」
- 第2層 名前分類 「001_PNG_人物」「002_PNG_敷地」「003_PNG_植物」
- 第3層 日付分類 「0127_人物」「0215_人物」「0217_人物」
上記のように「番号+格式」、「番号+格式+分類名」、「日付+分類名」と徐々に分類をしていくと、編集したい素材の条件を絞って検索をかけることができます。
設計中に出たボツ案もファイルにまとめておくことで、ボツになった案も次に携わるプロジェクトに役立つかもしれません。つぎ込んだ労力を無駄にせず、中断した時点から再開できるように大切に保管しておきましょう。
データベースの共有
チームとしてのプロジェクトをこなす際、データベースの活用は必須になります。
共有すべきファイルのなかには、
- プロジェクトのスケジュール*1
- 任務書、コンペのポスター
- 敷地の資料、写真
- デジタル版の書籍資料*2
- Photoshop用の素材
- Illustrator用の素材・色調カード
- InDesignのレイアウトのテンプレート
- 3Dモデル用のファイル
- パース図面のラフスケッチ、レンダリング図面
- 平面図などの基礎図面
- モデリングソフトのパッチやプラグイン*3
- マインドマップ*4
- プレゼン用の文稿、PPT
- 個人のパスポート、身分証明書のコピー*5
以上のものが必要になります。
このような分類分けを最初から準備することで、仕事の重複や連携のミスを減らすことができます。
もちろんですが、分類のルールをチームで共有することも忘れないでください。
*(現在内容をさらに見やすくするためにブログの過去記事を再編集しております。元の記事は修正が終わり次第、削除させていただきます。m(_ _)m)