建築デザインの時短術!3Dモデリングソフト選択から
まず初めに建築デザインからプレゼンまでの製作を前提として、モデリングソフトを選ぶ基準と注意点を解説してみます。
3Dモデリングソフト一覧
建築デザインに使う3Dモデリングソフト
- SketchUp
- 3dsMax
- Rhinoceros (+ Grasshopper)
- ArchiCAD
- Revit
ランドスケープデザインが関わる場合
- Lumion
動画を作る場合
- C4D
- UnrealEngine4
使えるソフトが上記の中で2~5つほどあれば基本的な操作に困ることはありません。
ソフトを選ぶ際の基準
互換性
人気で主流なソフトほど、互換性が高く、違うソフト間でのデータの受け渡しがスムーズにいくという特徴を持っています。
例えばArchiCADはAutoCADやRhinocerosといった一見インターフェースが全く違うモデリングソフトでもレイヤーや情報を受け継ぐことができます。
3Dモデリングソフトによってオブジェクトの生成ロジックに違いがあります。
ArchiCADやRhinocerosなどの生成ロジック
ArchiCADや、3Dプリントの機器のソフト内では線形と面、そして体積をもつ物体に明確な定義の差があるため、ソフト間でデータを移動してもオリジナルのモデルとほとんど差はありません。
SketchUpの生成ロジック
SketchUpでは三角形の面を最低単元として、体積のある物体、完全に閉じられた表面の生成をするので、面の集合体をその都度体積のある物体に定義しています。
SketchUpから3Dプリンター、Rhinocerosなどにデータを導入する場合
SketchUpの模型を3Dプリントしようとしても、たくさんの面を集めただけで厳密には体積を持った物体ではないので、3Dモデルの精度に問題があったりします。面と面の接着部に問題があると当然そのモデルを接合しなくてはなりません。
SketchUpのモデルをRhinocerosで開いてもRhinocerosのロジックで編集ができません。SketchUpとRhinoseros筆頭としたその他のソフトの間では互換性が低いのです。
専門性
ごく一部のプロジェクトを除き、建築デザインはチームでの協力作業が一般的になりますが、プロジェクト、チームごとに要求されるモデリングソフトが違うため、目的に応じて作成しやすいインターフェースで3Dモデルをチームで協力して作ります。
モデリングソフト
3dsMaxやSketchUpは建築のみならず、様々なモデリング用途に応じた使い方のできるソフトです。3dsMaxとSketchUpでは主にUI、モデルの生成ロジック、プラグイン、そして対応できるデータの格式、モデルのプラットフォームなどが異なる点になります。
CADインターフェース
AutoCADなどのCADインターフェースでは図面のデータ量が比較的少ないという特徴があり、大量の図面を処理・受け渡すのに適しています。3Dモデリングソフトとの互換性を確認する際は、主にCADのデータが反映されるかどうかを基準にします。
パラメトリックデザイン
パラメトリックデザインが必要な場合、プロダクトデザインにも使われる曲面の編集と形態のプログラミングができるRhinocerosとGrasshopperが使えるのが好ましいでしょう。
ランドスケープデザイン
Lumionは動画を作るのにも使用されますが、ランドスケープデザインに必要な大量の植物を編集してレンダリングするのに特に適しています。
BIMデザイン
BIMデザイン総称Building Information Modelは建築デザインから施工、のちの建設管理を一貫して行う情報記載モデルを指しますが、その代表ソフトとしてArchiCAD、Revitは、デザインと施工そして図面の調整などに秀でているソフトになります。
ソフト選択で気になる点
ショートカットキーやインターフェース
インターフェースはソフトの操作性に直結し、ショートカットキーの適切な設定が全体の時間や効率と関係してきます。ソフトによって基本インターフェースやショートカットキーが大きく違う場合があります。
短期間でソフトの操作を習得したい場合は、少し時間をかけてでもCADを軸としたインターフェースに慣れると、ArchiCAD、3dsMax、Rhinoceros、Revitがスムーズに使えるようになります。
ソフトごとの使用料
無料版、学生ライセンスを利用すると無料になるものもありますが、ゆくゆくは実用性の面で、ハイエンド(互換性の高い、機能が充実したもの)ソフトを購入するのをおすすめします。
ソフトの利用料と機能、互換性は比例する部分が大きいので、初心者でもAutoCAD、ArchiCAD、Rhinoceros、SketchUp Proを一通り使用してみるのも良いと思います。
ウェアハウス、クラウドレファレンス
代表例としてSketchUpのクラウドレファレンス、3DWarehouseでは豊富なモデルを検索しダウンロードしてすぐに使用できるため、モデリングの工程への負担がかなり軽減されます。
レンダリングソフトとの相性
SketchUp、3dsMaxはVrayとの相性、AutoCADとMayaとの相性、RevitとLumion(ソフト内でのレンダリング機能)との相性がよいとされております。レンダリング時の調整や操作がソフトによって異なるので、複数ソフトを構える場合、用途によって使い分けるのをおすすめします。
*(現在内容をさらに見やすくするためにブログの過去記事を再編集しております。元の記事は修正が終わり次第、削除させていただきます。m(_ _)m)