建築デザイン時短術!デュアルディスプレイ接続の解説
デュアルディスプレイについて解説していきます。
デュアルディスプレイの解説
二画面操作、通称デュアルディスプレイは複数のモニターを一つのOSに接続することで建築デザインで大幅に時間短縮できます。
デュアルディスプレイの利点と注意点について説明をしていきます。
デュアルディスプレイとは?
ひとつのPCに複数モニターを接続することで、ソフトを見やすいように管理できたり、生産性を大幅に上げることができます。
二つのモニターパネルを接続すれば、
- Dual display:デュアルディスプレイ
三つのモニターパネルを接続すれば、
- Triple display:トリプルディスプレイ
それ以上であれば、
- Multi display:マルチディスプレイ
上記のような呼び方をします。
デュアルディスプレイの利点
建築デザインでは一つのモニターパネル内で複数のソフトを動かす必要があるため、ウィンドウをソフトごとに切り替えて操作する必要がありますが、PCにもう一つディスプレイを追加することで、ウィンドウを単純に二倍の空間で使えるようになるため、より多くの仕事を同時に、そして快適にこなせるようになります。
建築ソフトのUI表示内容が多いため、画面を二分割してYouTubeやOfficeソフトを操作するのは困難ですが、メインPCにディスプレイパネルを追加することで、大画面で閲覧できたり、操作が暴発するのを防ぐことができます。
例えば右側に置いたモニターでモデリングをやりながら、編集した3Dモデルを左側のモニターでレンダリングしてパースをいち早く確認するというやり方ができます。
海外の研究でも、デュアルディスプレイを採用することで、生産性を平均42%向上させることができるという結果もあります。
Tech consultant Jon Peddie Research reported that users of multiple monitors estimated productivity gains averaging 42 percent.
ーHow Multiple Monitors Affect wellbeing. 引用:Steelcase
そしてディスプレイを追加するために必要な準備も手軽なため、建築デザインで複雑なプロジェクトを始める方にデュアルディスプレイを強くおすすめします。
デュアルディスプレイに必要な準備
デュアルディスプレイとして接続する場合、接続端子はそれぞれ
上記のような種類と用途があります。
そのうちHDMIは画面出力と音声出力を兼ねているため、PCやディスプレイに使用される主流の端子です。
マルチディスプレイのように2つ以上のパネルの接続を検討している方は、既にHDMI端子を接続しているため、D-subやDVI-D線を接続することもあります。
他にもWindows10には無線でデュアルディスプレイとして2台のノートPCを接続することもできますが、有線と違って画面の反映に遅延があるため、注意が必要です。
ノートPCにパネルを追加する場合
ノートPCを操作OSとしてデュアルディスプレイにして使用する場合、
が必要になります。
ノートPC二台をデュアルディスプレイにする場合
二台のノートPCをデュアルディスプレイとして利用する場合、
- 二台のOS、バージョンが一致している*1
- メインになるノートPC
- サブになるノートPC
- 二台のPCの電源口
が必要になります。
デスクトップPCにパネルを追加する場合
デスクトップPCを操作OSとしてデュアルディスプレイにする場合、
- デスクトップPC
- HDMI線
- 追加のディスプレイパネル
- ディスプレイ用の電源口
が必要になります。
接続の手順
- メインPCに電源を接続・起動
- メインOSになるPCの空いているHDMI端子にHDMI線を接続
- 追加するディスプレイの電源を接続
- ディスプレイのHDMI端子にHDMI線を接続・完了
- 2~3でHDMI端子や線に空きがない場合、D-sub、DVI-Dで代用を試みる
- 追加ディスプレイパネルに画面が表示されない場合、表示内容の設定を変更
以上の通りに接続すれば後は設定を済ませましょう。
表示内容の設定変更
追加ディスプレイパネルの画面が黒い場合、ディスプレイ機器の設定変更ボタンから表示内容を接続線に対応したものに切り替える必要があります。
基本は、D-Sub、DVI、HDMIのように表示内容を選べるので、HDMI接続の場合、HDMIに設定しましょう。
機器によって操作が異なるので、取り扱い説明書を参考にしましょう。
メインPCからディスプレイ設定(Windows10)
メインPCのデスクトップ画面上で右クリックし、ポップアップに表示された「ディスプレイ設定」から、デュアルディスプレイの仕様を変更することができます。
マルチディスプレイ
設定内で、「マルチディスプレイ」から表示内容を「表示画面を拡張する」に変更すると、接続された画面を拡張状態にすることができます。
デュアルディスプレイにはメインの画面と追加した画面で「1」、「2」というように番号が振り分けられており、パネル設定を移動することで拡張画面の接続面を編集できます。
拡張状態は事実上、二つのデスクトップ画面を使用できるようになり、マウスポイントを拡張した方向に移動することで追加した画面上で操作することができます。
ソフトのウィンドウパネルを拡張した画面の方へ移動することで、メインPCの画面上でさらに他のウィンドウパネルを閲覧しやすくなります。
デュアルディスプレイの欠点
デュアルディスプレイを利用する場合、
- 携帯や移動が困難
- 充電ケーブル、配線が増える
- 電気代がかさむ
のような短所もあります。
主に据え置きでの利用になることに注意しましょう。
充電のためのコンセントをディスプレイ分も用意しなくてはならないため、ときに拡張コンセントを使用する必要があります。
2台のノートPCを接続する際の注意点
HDMI端子
例えば古いノートPCをデュアルディスプレイとして、HDMI線で新しいノートPCに接続する際には、古い方のノートPCにHDMIの入力端子を備えている必要があります。
ノートPCに付属されているHDMIの端子口は基本出力側なので、HDMI線での接続を考えている方は注意が必要です。
HDMIの入力端子があるノートPCの型はかなり珍しいので、基本は無線接続になります。
無線接続時の画面不具合問題
古いノートPC上に画面を共有するとき画面が点滅する場合がありますが、古いノートPCのGPUの画面刷新クロック数が50~60Hz、と低いことが起因していることがあります。
その場合、GPUの画面刷新クロック数を75Hz以上に変更した場合に解消されます。
75Hz以上にPC上の設定で変更できない場合、PCに搭載したGPUのメーカーに応じて最新バージョンのGPU駆動ソフトをインストールすることで解消されることがあります。
無線接続遅延
無線は有線に比べて接続が手軽ですが、画面の共有に操作の遅延があるため、遅延が気になる方には有線でディスプレイを接続することを推奨します。
推奨できるディスプレイの条件
推奨できるディスプレイの例
例として、
- 画面サイズ:21.5インチまたはメインPCと同じ大きさ
- 液晶の種類:IPS
- 解像度:1920×1080
- 接続線:HDMI、D-Sub
- 値段:10,000~15,000円程度
上記の条件を満たすものが良いと思います。
画面サイズ
デュアルディスプレイは据え置きでの利用が前提なので、
- 17.3インチ
- 21.5インチ
- 24インチ
上記のような大型向けのサイズを推奨します。
大型の画面を利用することで、
- 正面を向いて操作するため姿勢が窮屈にならない
- ArchiCADやRhinocerosなどの建築ソフトのUIが使いやすくなる
- 印刷紙面を原寸大で表示しやすくなる(全体から局部)
などの利点があります。
しかしパネルサイズも一概に大きければ良いわけではなく、最初からデュアルディスプレイの利用を考えている方は同じ画面サイズ、同じ型のもので統一した方がよいと思います。
ベゼル幅
ベゼル幅は液晶画面と外縁部の間の幅のことです。
ベゼル幅が狭いと画面への没入感が増し、同じ型のディスプレイを複数機並べて使用する場合、画面と画面の境界線の違和感が少なくなり、快適な使用が可能になります。
デュアルディスプレイとして利用する際は優先度の低い項目です。
モニターの種類
増設するディスプレイのモニターは色差が少なく、視野角の広い液晶IPSモニターを選びます。
視野角とは、モニターに向かって垂直の視野から角度をつけた場合の色差許容の程度を指します。
TNパネルのように視野角が狭いと、異なる視点で色彩を確認するときに誤差が出るため、視野角の広いIPSパネルが採用されます。
建築デザインでは特に複数人でモニター上の色彩を確認することが多くなるため、メーカーが明記している場合は IPSのモニターを選びましょう。
建築デザイン時短術!さらに詳しいノートパソコンの選び方 - かーきアサヒの建築手記
デスクトップPCの場合、モニターの種類が違うと画面同士で色差が生じるので、画面を見比べて作業をする場合、一つ目のモニターパネルと比較して色差が少ないものを選びましょう。
ピボット機能
少し割高になりますが、モニターの中には、横画面を縦画面にスライド回転させるような機能を付属しているものがあり、プレゼンボードやポスターを縦構図で閲覧・確認したいときに便利な機能です。
無線USB対応型モニター
高額なものが多くなりますが、USBを挿し込むことで無線になるモニターもあります。配線が増えすぎるのが気になる方は検討してみてください。