この写真を紐解くと、実は3Dモデルに簡単なレンダリング、そしてフォトショで人を加えて自動処理を施しているだけなのです。
今回は建築史上最速のパース図面の制作について紹介をしようと思います。
下準備編
今回使用しているソフトや素材は
- 3DWarehouse内でダウンロードしたモデル(ロンシャン礼拝堂)
- SketchUp Pro 2018(以前のversionでも可)
- Enscape for SketchUp 2.2 (以前のversionでも可)
- Photoshop CC 2019フォトショ(以前のversionでも可)
- 人物のpsd・png素材
- PhotoshopのActionアクションツール(必ず言語設定とバージョンが対応しているものを利用ください)
になります。
特筆すべきことで、フォトショのアクションツールについてはネットでお好みのものを購入してください。アクションは従来のフィルターの操作を完全に自動化したフォトショ内で使えるプラグインです。つまり水彩画風専用のアクションがあれば、建築のパース図に適したアクションもあります。
実践編
今回は3DWarehouseでダウンロードしたモデルからの印象派絵画風のパースを作成の一連の流れを紹介していきます。
まずは3DWarehouseでロンシャン礼拝堂を検索してみます。
そしてレンダリングに適したモデルを探しましょう。
SketchUp2018を開いて実際のモデルをみてみます。
細部まで非常にしっかりと作り込んでいるうえ、材質までしっかりと設定されております。これは修正を加えなくても大変素晴らしいパースが完成するでしょう!
そして雲の位置などの背景やレンダリングの設定を詳しく決めていきます。
今回は建築主体を引き立たせるために背景をフォトショ内で細かく作らずにぼかすことを考えているので、このように人物を少し入れてからアクションを実行します。市販のアクションの説明書通りに操作をしてください。
印象派絵画のImpressionistでは油絵のようなレタッチを残して画面を効果的にぼかしてくれます。アクションを実行し終えたばかりのものでは使い物にはなりませんが、編集を加えて、建築のディテールをピックアップしてみせることができます!
D5 Render編
こちらのレンダリングツールで操作してもEnscapeと同じように素材のレンダリング図を制作できます。操作ベースが簡単なため、既成3Dモデルの光源調整も積極的にできるようになりました。
アクション編
建築のモデリング、レンダリング、フォトショでの修正はどれも時間がかかってしまう作業になりますが、フォトショでの修正はアクションの活用によって、大幅に時間を節約できる部分になりました。
印象派絵画のように背景や作りこんでいない部分をぼかす以外にも、線画を強調したり、色彩曲線を素早く変えたりなど、たくさん使い方があります。
Architecture Art Sketch Photoshop Action Tutorial - Advanced
アクションを使用するときの注意点ですが、アクションは元の画像の色彩や質、画素数に最終的な完成度が影響されます。
無理に大きな画像をアクションさせるのは逆に時間を要してしまいますが、質の低い画像を使っても魔法のように綺麗にしてくれるわけではありません。
Enscapeでお手軽ににレンダリングをするのも悪くありませんが、ガラスの反射や微妙な光源の演出、繊細なディテールを表現するのにはあまり向いていません。よりリアリティがある画像がアクションで鮮明な効果を出します。余裕が有るときはVrayでしっかりと設定をして、美しいレンダリング画像を作れるように努力しましょう!
さらに短縮するために
素材は常に自分の中でストックしておくことが望ましいでしょう。自分だけの素材集を設けることで1週間だけでもデザインが完成できるようにもなります。
まとめ
今回紹介した方法は私もよく使うやり方ですが、建築のパースを短時間で何十枚も作らなくてはならなかった時にいろいろ模索して実践してみた方法でした。もちろんデザインの作り込みに依存しますが、浮いた時間を模型制作にまわせたりもしました。建築デザインを勉強する人の役に少しでも立てたら、と思っております。